けいはんな学研都市ヘルスケア事業Top>平成27年度までの取組概要>6.設備共用活動
6.fMRI設備共用の取組
fMRI(Functional MRI)とは?
1.MRIは脳血流が変化する部位を特定できるため、撮影された画像を統計解析することで、刺激に対する脳活動状況を推定できる。
2.視覚等の感覚刺激に対する脳の特定の部位が反応を考慮することで、商業活動・商品開発における、「心地よい、快適など」感情効果などを推定した新たね商品開発への有力なツールとなりえる。(ただし、個人差があるため効果の断定は難しい)。たとえば、海外ではニューロマーケティング分野でCMを見た後の好感度調査、印象効果の測定研究実績もある。
(1)2011年度後半より設備共用スタート
例:ひさ関節への荷重治具作作製
2010年4月 医情報学科に導入
日立 1.5T ECHELON Vega
センサコイル
日立 1.5T ECHELON Vega
センサコイル
- fMRI向け 16ch脳コイル ゲージコイル
- 形態撮像向け ボディコイル 汎用コイル等
- 視覚刺激 LCDモニタ プロジェクタ
- 聴覚刺激 防磁ヘッドホン ミキサ
- 反応取得 光ファイバスイッチ等
- 脳波観測 EEG(脳波計)
- 状況記録 CCDカメラ等
その他の治具については個別対応
(2)MRI利用の手順と料金、運用規定
- 利用相談・設備見学は随時可能
- 正常に撮影可能となるまで、テスト利用は無料
- 料金
※上記を超える長時間の利用は別途相談 - 利用の流れ
1. 大学MRI運営委員会へ申請
2. 実施者の組織の倫理審査
3. 当大学への安全性・倫理性審査
4. 利用予約の後、利用 - 運用規定
・同志社大学MRI運営委員会にて技術的な安全性、実験の倫理性についての申請と許可が必要。
・ヒトの実験を行う際は、同志社大学の「人を対象とする研究」に関する倫理審査への申請と許可が必要。
・利用についてはMRI運営委員会の定める安全ルール、利用手順の順守。
(3)外部利用の経過状況・設備改良・外部へのPRなど
外部利用の経過状況
※毎年、各方面への認識が深まり、一部で有償利用に至る
設備改良・外部へのPRなど
(4)説明会に参加・試利用の企業・研究所
テスト利用を含めた総件数
年度 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 |
---|---|---|---|---|---|
件数 | 2 | 2(有償1) | 1 | 5 | 7(有償1) |
(5)まとめと今後
まとめ
- fMRIへの関心は高く、相談・見学およびテスト利用は多かったが、有償実施は1件にとどまった。
- fMRI利用の前提として、実験の計画や実施には、心理学や脳機能の基礎知識が求められる。
大学や研究所などで心理学や脳機能に詳しい研究機関(者)と共同研究を行う。fMRI測定による実験が容易になり、マーケティング・製品開発等に有効である確証が得られると有償利用につながりやすいと推測する。
今後
- 今後、感性や脳との関連を活用した商品開発がさらに加速されることが推測される。この流れにとって、MRIは必須の装置になっていくと考えられる。
- 本事業の5年間で蓄積したMRIの利用のノウハウを活用すると同時に、オペレーションに加えて脳科学や心理学の基礎を習得することも併せた外部利用者へのサポート体制を充実させることで、さらなる利用増加、共同研究の高度化が見込まれる。
5.知のネットワーク活動 >6.設備共用活動 >7.研究成果の活用