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先端的な研究成果や技術を紹介する「先端シーズフォーラム」を開催しました。
国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)実現等にもつながるテーマであり、参加者から出された数多くの質問に講師が丁寧に回答し、講師・参加者の双方ともに知的な刺激と示唆を受けるひと時となり、フォーラム後の交流会においても、活発に率直な意見交換が行われました。 

2018年1月29日(火)13:30~17:15 
会場:大阪イノベーションハブ
   (大阪市北区大深町 グランフロント大阪ナレッジキャピタルタワーC棟7階)
主催:(公財)関西文化学術研究都市推進機構 
共催:(公社)関西経済連合会、大阪イノベーションハブ、(国研)科学技術振興機構
後援:京都大学生態学研究センター、奈良先端科学技術大学院大学

  • 主催者挨拶
    20190129_fig2.jpg関西文化学術研究都市推進機構 常務理事・事務局長 中川雅永
  • 講演1「『コア微生物』で持続可能な農業を設計する」

    京都大学生態学研究センター 准教授・博士[理学] 東樹 宏和 氏

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    生き物の美しさや、多様性、各々の関係等の生態系の営みに関心を持つ一方、気候変動や環境、食糧の問題など、地球全体を俯瞰した、様々に絡み合う課題を解決する鍵の一つとして「土」、その中の微生物の働きに着目。その微生物間のネットワーク、グループの形成、その中のコア(核)となる微生物の存在を解き明かしつつ、今後の農業における生産リスクを低減する、補完手段の確立にもつながる研究を紹介。

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  • 講演2「植物根圏微生物群を活用した植物生長促進技術の開発に向けて」

    奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 助教・博士[農学]  晝間 敬 氏

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    植物と成長を促す有益な微生物との具体的なメカニズムについて、モデル植物の"シロイナズナ"と、内生菌の「コレトトリカム トフィルディーエ(Ct)」の共生関係を中心に説明。リン欠乏環境下で成長を促す、害虫や根圏の病原菌への抵抗性が付加できる一方、二次代謝物の必要性や土壌の環境・栄養状況、病原性の発現の不明点など、植物と微生物の両面から今後も研究する必要性について指摘。

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  • 講演3「光センシング技術を応用した土壌分析装置・微生物センサの紹介」

    シャープライフサイエンス株式会社マーケティング統轄部 国内営業課 課長 綱澤 啓 氏

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    同社が得意とする光センシング技術を用いた「簡易・迅速土壌分析装置」「微生物センサ」の紹介を中心に説明。「簡易・迅速土壌分析装置」は、土中の6種土壌養分を、短時間に、簡単に、農地の現場でレポート表示が可能であり、作物の収量安定、品質向上等を土づくりの面から貢献できること、「微生物センサ」は食品工場や医療現場における空気中の細菌・カビの量を、短時間に自動かつ連続で、独自の「加熱蛍光増大法」を用いて精度を高めて計測可能。しかし土壌微生物の分析の実現は、今後に相当なブレイクスルーが必要。しかし、現場普及をめざし、将来的には当社の技術と外部研究者等の力も借りて実現したいとの意欲を紹介。

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  • オープンディスカッション:回収されたアンケート25枚に記載されている40問近い質問に、順次講師から回答。

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    <参加した講師の主な感想>

    (東樹氏)あらためて微生物はやはり難しいとの思い。まだまだ応用には相当な研究開発を進める必要性を感じた。その一方で、できるだけ早く役に立つレベルまで行ければとの思い。土の中の生物のことを、より科学的に知る、その仕組みを、一般化していく重要性をあらためて感じた。

    (晝間氏)一つの微生物資材のモデルケースを作りたい。そのために、圃場実験で共生効果の安定性を確認し、ラボでメカニズムを両方を行き来し、しっかり解明したい。また、人工肥料も重要だが、それと並立する微生物を用いた仕組みも、少しずつでも皆さんと形作りたい。

    (綱澤氏)原理原則的な実証と、簡易的なアウトプットをつなぐ実証を踏まえ、最終的には簡易分析の範囲で「これで読める」というものを現場に普及させたい。様々な有識者のご指導をうけ、パッケージング、装置化を図りたい。

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