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~30年の成果を踏まえ、新たな都市創造に向けた本都市全体のネットワークハブ~

日 時:平成29年4月20日(木)14時~16時
場 所:けいはんなプラザ 交流棟3F「ナイル」

 多様な主体による様々なネットワークが生まれ、新たな価値を創造する都市としていよいよ花開こうとしている「けいはんな学研都市」。都市づくりが始まって30周年を迎えるにあたり、「世界の未来への貢献」と「知と文化の創造」をビジョンに掲げ、平成28年3月に「新たな都市創造プラン」を策定しました。
 「新たな都市創造会議」は、このビジョン実現に向けて立地機関等が対等な立場で参画し、相乗効果を生み出していくネットワーク型運営体制として設置したものです。第1回の総会は、国土交通省をはじめ国の8機関、10自治体、9大学、14研究機関ほか、財界・民間企業・街づくり団体など、57機関から約120名が出席して開催しました。
 総会では、「けいはんな学研都市」の評価方法として、都市全体を俯瞰的に評価する指標群「けいはんなインジケーターマップ」を作成し、共有していくことになりました。成果の認識を共有することで、関係機関での新たな事業展開やネットワークづくりに活かし、都市全体の価値を高めていくことを目的にしています。
 今後、各主体の合意の得られたものから順次、指標化を行い、社会経済情勢に応じて指標を吟味・充実を図りながら、原則毎年度、評価サイクルを継続・進化させていくことになりました。出席委員からは、「我々の組織の取り組みにも繋がる」「積極的に貢献していきたい」「共に頑張っていきたい」など、今後の取り組みや連携促進に大いに期待する前向きな意見が相次ぎました。

「新たな都市創造プラン」の概要はこちら

  • 出席委員からの主な発言要旨

    ○「新たな都市創造プラン」全般について

    ・立地施設数、就業者数が伸びているのは非常に素晴らしい。国の予算が厳しい中において、機能、人の集積が進んでいるのは「勝ち組」だと思う。集積により研究成果も上がってくる。「都市の発展」と「研究成果」が「Win-Win」の関係になるよう、今後も一緒に取り組んでいきたい。

    ・「新たな都市創造プラン」を受けて様々な取り組みが進められていることから、益々「けいはんな学研都市」の可能性に期待が高まっている。本日の議論を受けて真に新たな都市が創造できるよう、今後も必要な協力を行っていくので宜しくお願いしたい。

    ○イノベーション推進について

     ・「けいはんな学研都市」がイノベーションの拠点になるためにはどうしたらよいのかを真剣に考える必要がある。1点目は、イノベーターを海外からどれだけ迎え入れ、そのためのネットワークをどう作るのか。2点目は、国内からどれだけ迎え入れられるのか。ひとつのターゲットは大学院。新しい仕組みづくりに多くの方々の知恵と力をお貸し願いたい。

    ・地域産業とイノベーション推進の連携強化を支援していきたい。けいはんな学研都市と、他の関西の研究拠点、地域産業との橋渡し機能を強化していきたい。

    ・異分野融合研究開発の新しい付加価値を提供するため、民間企業としては、研究内容を世の中にきちっと浸透させ、利益を生んで、社会に還元する使命がある。異分野異業種交流の中で検討したものは、説得力がある。しっかりプログラムに入り込んで、新しい成果を出していきたい。

    ・これだけ科学技術が急速に発展してくると、一企業だけではなかなか追い付いていくのが難しくなるので、前向きな連携が必要。「けいはんな学研都市」では、様々な連携、イノベーション、新事業創出の仕組みが順次整備されてありがたい。受け身ではなく、積極的に参加し、新しい成果を上げて活性化を図っていきたい。

     ・新しいものを生み出していく時には、二つ大事なことがあると最近感じている。一つ目は、ストーリーや構想を作れる人が必要ということ。二つ目は、トップ同士間の意思疎通。連携を強く願っておられるトップの方と、積極的に意思疎通を図っていきたいので、宜しくお願いしたい。

     ・「けいはんな学研都市」では様々な連携の中で、都市そのものの生活にも興味を持って進められている。ベクトルが全く同じだと感じ、積極的に参加している。今後、働くことと生活することはセットで考えないと、イノベーターは出てこない。今、学内で「ものづくりの際には、必ず文化のチェックを受ける」という仕組みづくりを構想している。コラボレーションにより大学院生を育てていきたいと考えている。

    ○都市形成について

     ・行政間において、議論が希薄であると感じている。将来の「けいはんな学研都市」全体のためにも、府県域を超え、心を寄せて共通課題に対して知恵を出し合っていきたい。近い位置関係にある奈良県内の課題についても、応援できることは応援し、「けいはんな」の名に恥じない街づくりを、全力を挙げて前進させていきたい。

    ○都市運営について

     ・今日の「新たな都市創造会議」で、節目を超えて本格的に次の展開を始められたことは非常に喜ばしい。昨年から今年に掛けて、これだけのネットワーク型運営体制を整えられたことは、30年間を経た新しい足場が出来たと考えている。

    ○「インジケーターマップ」について

    ・都市全体をマクロ的に俯瞰する評価軸と、且つそれぞれの機関がそれぞれの活動のための評価軸を設定し、都市発展の次なる仕組みが発足した。「けいはんな学研都市」は、様々な主体によって構成されていることから、「インジケーターマップ」により連携し、更なる活力が発揮されるように力を合わせていただくことを期待している。

    ・評価方法についてはこれまでも、現状分析をするために、都市を俯瞰する定量的な指標の必要性を述べてきた。具体的に今後の目標やあるべき姿が議論できるようになったことは、前向きに進んだと大いに期待したい。

    ・「インジケーターマップ」については、皆の共通認識を図れると共に、「見える化」が出来る様になるという点で、非常に素晴らしい。我々の研究所の評価軸とも一致しているところがたくさんあるので、是非とも協力していきたい。

    ・指標を設けること自体に異論はないが、他機関との協業から何かを生むためには、一歩一歩、進めていく必要があり簡単ではない。数値目標にどれだけ貢献出来るかは未知数であるが、これからも継続して一緒に頑張っていきたい。

    ・ハードだけではなくソフトも重要。街づくりにおいても、人をお迎えするサービスが必要ではないか。公園では、年間約200回の文化自然環境イベントを実施しており、喜んでいただいている。生活関連施設の取り組みも、インジケーターマップに反映して欲しい。